戸を欲しがるおばけ(とをほしがるおばけ)

樺太アイヌに伝わる話。
神降ろしをする一人暮らしの婆さんの所へある夜、
何者かがやって来て戸をがたがた揺さぶり、
やがてそれを外して墓場の方へ背負って行った。
婆さんは尻まくりして追っていき、戸を奪い返して元通り立てると
お化けが再びやって来て「戸をよこせ!戸をよこせ!」
と言いながらがたがた揺さぶった。
婆さんは「私はまだ子供だから何も知らないんだよ、
何でも知っている連中のところへ行ってくれ」と言ったが、
それでもお化けは戸を揺さぶるのをやめなかった。
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