タマセ(たませ)

関東地方や新潟県で人魂のことであるが、
特に千葉県八街市では以下のように伝えられている。

タマセは人の体の中にあり、死ぬと外に出てくるもので、
病人が死ぬ直前や2、3日前、夜に体外に出て縁故の深い人や寺に死を知らせる。
このとき雨戸を強く叩いたり、庭のどこかで大きな音を立てたりするが、
縁故の深い人以外には聞こえないという。
その形は丸い黄色の光る球体であり、十尺余りの青い尾がある。
これの尾がなく高く飛ぶものは金玉(かねだま)という別のものである。
家や木の梢すれすれを飛ぶが、若い人のタマセは早く飛び、老人のタマセは遅く飛ぶ。
誰でも見ることができるが、28歳までに見たことがない人には
寂しい夜道でタマセが「会いましょう、会いましょう」とやってくるので、
見たことがあるふりをするという。
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