白うかり(しろ うかり)


熊本県八代市松井家の松井文庫の『百鬼夜行絵巻』にある、絵と名前のみがかかれた化物。
松井文庫では、目が大きく、ヒゲが生えているアシカのような化物が宙に浮いているが、
湯本豪一氏所蔵の化物尽くし絵巻ではヒゲはなく牙が生えている。

名前の「白うかり」は「白うるり」から来ていると思わる。
白うるりとは『徒然草』にでてくるものである。
盛親という芋頭が大好きな大食いの僧侶が
ある僧侶に「白うるり」というあだ名を付けた。
人に「白うるり」とはどういう意味かと聞かれると、
「私も知らないが、そういうものがもしいるとしたらこの僧に似ているだろう」と答えた。
それ以来正体の知れない怪しいものを白うるりと言う。

白うかりの「白」は「素人」、「うかり」は、「ぼんやりしている」という意味がある。
このことから多田克己氏は「野暮」をあらわした妖怪ではないかとしている。
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