見越入湯(みこしにゅうとう)

山東京伝『怪談摸摸夢字彙』にある化物。
風呂に入った首の長い老人の絵が描かれており、
「金持ちおやじの亡魂であり、据え風呂に入っていても油断せず、
台所の味噌や塩の使用量、「それでは薪が費える」「それでは汁が濃すぎる」
などと、菜箸の転んだことまでも、目を抜かれまい抜かれまいという一念で
自然と首が長くなるのである。据え風呂の中から家の中のすみずみを
見越して睨み回すため、見越入湯と名づけて家中の者が怖がるのである。」
と説明されている。
首の長い化物「見越し入道」のパロデイでケチな人を風刺したもの。
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