某いるか（ぼういるか）

新潟県佐渡市高千高下（佐渡島）でいう妖怪。
人間の言葉を話すイルカで、船縁に寄ってきて「某いるか」とはっきり言うが、
「某はいない」と言うと海中に姿を消す。
このとき某の部分には三郎平、友崎、吉蔵など、屋号や苗字・名前が入り、
それは旅の商人、六部、芸人、金持ち乞食などを騙して船にのせ、
沖で撲殺して金品を強奪してそれを元手に家や倉を新築したともいわれる資産家や旧家であることが多い。
夜中に海中から声をかけられると長年船乗りをしているものでもぞーっと寒気がしたという。